息子と父親

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息子と父親

ー家の中ー 中に入り、僕はバラムに付いていき二階へと上がった。 バラム「今日からここがお前の部屋になる」 サクリア「うわー、広い。」 そこは前の僕の部屋が5倍はありそうな広い所だった。ここが僕の部屋だなんて勿体無いくらいだ。 サクリア「ありがとう父さん。」 バラム「うむ、気に入って何よりだ。 これから生活していく上で説明することがある。 よく聞きなさい。」 父さんの言葉に従い近くにある椅子に座った。 バラム「まず、この世界で生活するには最低限な知識が必要だ。 週に5回、夜に私と一緒に勉強をするが、 それ以外は自由にしても構わない。 特訓は朝食を摂ってから行う。 今はまだ来たばかりだから、変化した体に馴染む方が良いだろう。」 サクリア「週5て一週間に何日なの?」 バラム「7日だ。」 父さんはそう説明した。 日数は殆ど地球とそんなに大差ないのか。 しかし勉強かー、僕苦手なんだよなー。 あと特訓てなにするんだ? サクリア「父さん、特訓てなにするの?」 バラム「基本的な格闘技や魔法を教える。」 この世界魔法あんのか!? まあ、父さんも魔法使ってたから納得はいくな。てか格闘技とかあるの? なんか苦手そうなジャンルだな。 バラム「説明は以上だ。これから下に降りて食事を摂るから、食堂へ案内しよう。付いてこい。」 サクリア「わかった。」 僕は言葉に従い父さんに付いていった。 バラム「ここが食堂だ。」 サクリア「結構広いな。」 10人は座れそうなテーブルがあり、大きなキッチン台もあった。こうしてみると、本当に貴族様が使ってそうな場所だった。 バラム「待っておれ、今用意するからな。 椅子に座って待ちなさい。」 サクリア「わかった。」 そう言われて近くに置いてある椅子に座った。 すると、暫くしない内に料理が目の前に現れた。 ・・・って、うん??? サクリア「父さん、何処から出したの?」 バラム「魔法で作った。」 魔法万能すぎるだろ!? 料理まで作れるのか。 料理と言ったら包丁で切ったり、鍋を使って温めたり炒めたりだよ。 なにしれっと「魔法で作った」よだ。 龍神だからなのかそうなのか、僕は深く追求するのは止めた。 サクリア「じゃあ頂きます。」 バラム「うむ、存分に食すと良い。」 お前が自力で作ったものじゃないけどな、 っと心に思い食べ始めた。 しかも、驚く事に中々美味しかった。 どれも僕好みで15分で完食する。 食べ終わった後に気付いたけど、人間のとは違い、口が犬のマズルって言うんだっけ? ちょっと食べづらかった。 サクリア「ご馳走さまでした。」 ご飯を食べ終わった直後、そこにあった空の食器が一気に消えた。もう突っ込まんぞ...。 バラム「食べ終わって疲れただろう。 そろそろ寝ようと思うが、その前に自身の翼を扱えるかどうか確かめてみぬか?」 サクリア「えーっと、やってみる。」 この体になってからまだやってないな。 確かイメージとしては背中に収まるように閉じるんだよな。 〜っで、この骨格?をこうすれば...あ!出来た。 それから閉じた翼をまた広げる...良し、これも出来た。 サクリア「出来たよ、父さん。」 バラム「中々筋が良いな、では次に、低く飛んでみよ。」 人間だと羽とかもないから、ヘリコプターとか飛行機を乗らないと飛べなかったからな。 ここは慎重に、イメージも合わせて上、下、上、下と上下にいく感じでいけば...! サクリア「やった、いけた。飛べたよ!」 バラム「なんと...!まだ5分も経ってないのにそこまでいくとは。流石私の息子だ!」 まさか、自分で飛べるなんて夢にも思わなかった。 こんなに嬉しいことは他にない。 サクリア「〜っと、うん、大体覚えた。飛ぶってこんなにも楽しいなんて!」 バラム「楽しんでくれて何よりだ。 この機会だ。 これからの生活に必要な魔法を一つ教えよう。」 サクリア「うん。」 バラム「先ず、魔法とは何かということから話そう。 私達龍人の体内には魔力が宿っている。 その魔力を使い、呪文を唱えると魔法が発現出来る。 例えば、『ライト』」 父さんがその言葉を言った瞬間、目の前に光の玉が現れた。やば、興奮してきた...! サクリア「スゲー、魔法だ!生きている内に魔法をこの目で見られるなんて感動するんだけど! よっしゃ!今から僕もやってみる!!」 バラム「はっはっは、こればっかりは習得するのは流石に無理だと思うぞ。詳しい事はまた、後日教えること『ライト!』に?」 今さっき見た光の玉をイメージして言ったら、先程と同じような光の玉が現れた。 サクリア「やった出来た。父さん、僕にも出来た!」 バラム「...」 父さんは何故か少し固まっていた。 そこは喜ぶとこじゃないの? サクリア「どうしたの?」 バラム「いや、何でもない。それより一発で出来るようになるとは、私でも驚いた。」 サクリア「そこ驚くとこかな。」 バラム「普通は勉強してから行うものだが、まさか見ただけで習得するとは...。」 サクリア「じゃあ素直に喜んでよ。」 バラム「うむ、そうだな。偉いぞサクリア。」 褒められるなんて何年振りだろう。なんだか自信が持ててきたって感じがする。そういえば、ここに着く前に話してた学校とか言ってたっけ。 ・・・聞いてみるか。 サクリア「ねえ、着く前に父さんが言ってたことなんだけど、どのくらいしたら学校に行くの?」 バラム「そうだな・・・3年したら学校に通う事になる予定だ。それまでには、一緒に生活して少しずつ慣れていこう。」 サクリア「3年か...1年て日数どのくらい?」 バラム「300日だ。」 ここだけは地球とは違って65日がないんだな。長く感じるけど、やってやろうじゃんか。 サクリア「なんとか頑張ってみるよ、父さん。」 バラム「焦らずともよい、私がいるのだ。 あまり張り詰め過ぎないようにやっていきなさい。何か困ったことがあったら何時でも言うんだよ?私の子、サクリア。」 こうして僕の龍人生活が始まった。
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