10

1/1
前へ
/12ページ
次へ

10

 薄っすらと目を開ける。頭がズキズキする。どうやら自分は横になっているらしい。身体を動かした時、ジャラっと鎖の音がして、頭が真っ白になった。 「あっ、起きたか? お前医者だろ? 金もらってくぞ。ってか家に手術台ってやばいやつだな」  見知らぬ男がニヤニヤしながら話している。誰だ。見たことないはずだ。 「だ、誰だ。なんでこんなこと……これ、外してください。お金なら渡すし、警察にも言わないから……だから、頼みますから殺さないでください……」 「……いーや、元々殺すつもりだったから。もう顔見られちゃったしな。それに……この手術台、なんかいいな……手術をはじめます、ってか?」  ゾクリとする笑みを浮かべて、男がメスを片手に近付いてきた。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加