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数日間仕事が忙しく、家に帰れなかったが、明日から連休だった。彼が生き返ったかどうか、どうやって調べようかずっと考えていた。実家に行って確認するのは最終手段だ。疲れた身体と頭でボーと歩いていると、病院の出入り口に誰かが立っていた。間違いない。彼だ! 生きている……成功したんだ。喜びが抑えられない。見つめたまま笑っていると、彼も僕を見つけて、笑って駆け寄ってきた。
「久しぶりだな! ……お前が生き返らせてくれたんだろ? 本当にありがとう」
「……本当に生き返ったんだ。良かった。けど、どうして僕が蘇らせノートを使ったって分かったの?」
「生き返った時にな、手のひらにお前の名前が書いてあったんだよ。まさかお前が……って信じられなかったけど、見たらすぐ消えてってさ。本当なんだなって思った」
「そうだったんだ。僕もね、ノート閉じたらすぐ消えたんだ。あのノート本物で良かった」
ニコリと笑って答えると、彼は少し気まずそうに目を逸らした。
「……なんで俺なんかに使ったんだよ。他にもいただろう。生き返らせたい人……」
「僕はこの先蘇らせノートを拾ったら、絶対に君を生き返らせようって決めてたよ」
迷いなくそう伝えると、彼は少し照れ臭そうに笑っていた。
「お前さ、これから何か用事ある? お礼もしたいし、飲みでも行かねぇか?」
「行く! っていうか、生き返ったら一緒に飲みたいと思って、お酒買ってある。僕の家そんなに遠くないんだけど、良かったらうちで飲まない?」
「いいのか? 俺がお礼する立場なのに、なんか悪いな……」
申し訳なさそうな顔をする彼を説得して、僕たちは家へと歩き出した。道中は、生き返った時の家族の反応やこれからのことなんかをずっと話していた。死んでいた時の記憶はないらしい。話しているとあっという間に家に着いてしまった。
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