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数時間後。
「……ん、ここ、どこだっけ……」
「あっ、起きた? 結構寝てたね。僕待ちくたびれちゃったよ」
「……あぁ、お前と飲んでたんだったな。わりぃ、寝ちまった。俺酒弱くなったのかな」
彼はそう言いながら起き上がろうとする。まぁ無理だけど。
「な、なんだよ、これ……なんの冗談だよ……」
彼の両手両足には鎖を繋いで、僕が作った手術台にしっかり固定している。それに気付いた彼の顔は真っ青だ。僕は笑って彼に答えた。
「僕がね、君を生き返らせた理由はさ、君をずっとこの手で殺したかったからだよ。なのに勝手に事故で死んじゃうんだもん。あの時は本当絶望したね。僕が善意で君なんかを生き返させると思った? そんな仲じゃないよね? 僕たち……」
「……っ! 昔虐めてたことは謝る! 土下座でもなんでもする! 頼むから殺さないでくれ! 頼む!」
「ひとーつ、僕が大嫌いな虫を毎日僕の顔に押し付けた。ふたーつ、僕を財布変わりにパシッて、間違った物を買ってきたら蹴りが入った。みっつー、君の女友達の前で全裸にさせてみんなで僕の身体にタバコの火を押し付けた。よっつー、……まだまだあるけどまだ言う?」
「……本当に反省してる。謝ろうと思って、色んなやつに聞いて今日職場まで会いにきたんだ……頼む……殺さないで……」
「……もうね、遅いの。手術をはじめます」
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