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カエデはコップを手に取り、どれにしようかとドリンクバーを眺める。
学生たちはカエデなどおかまいなしに作業を続けている。
カエデはトングで氷を入れている学生の前に自分のコップを差し出し、お願い、と言う。
学生は驚いた表情を一瞬したが、すぐに嬉しそうにカエデのコップに氷を入れた。
すると今度は横にいた学生がカエデにどのドリンクがいいかを尋ねる。
カエデが、ウーロン茶で、と返すと学生は頷きコップを受け取りウーロン茶を注いだ。
ありがと、とカエデがコップを受け取ると、そこへすかさずストローが差し込まれた。
その様子を見ていたヤヨちゃんは、カエデのコミュ力の高さに興奮しながら、自分にああいうことが出来たらどれだけいいだろう、と羨ましく思っていた。
何処かの席でお客がナイフを落とした。店員が駆け寄る。
さあ、とカエデがヤヨちゃんを見る。その顔は、あなたもやってみて、と言っていた。
いやいやいやいや、とヤヨちゃんは全力で首を横に振る。無理だ。絶対に無理だ。
学生たちがヤヨちゃんを見る。もうその視線だけで立っていられないほどの眩暈。やめて、やめて、私に注目しないで。
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