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うん、とカエデは頷く。「お好きなだけどうぞ。ただし、コップは一個しか使っちゃダメだからね」
「分かってるよ。そんな子供みたいなことしませんよ」
「いや、ヤヨならやりかねない」
ヤヨちゃんは早速席を立ち、ドリンクバーへと急ぐ。私の分も、とカエデが後ろから声を掛ける。了承の意味で手を振って見せる。
がしかし、ヤヨちゃんはものの10秒ほどで帰って来る。手ぶらで。
カエデの座るソファーの横に立つ。
あれ? とスマホを見ていたカエデが顔を上げる。「どうしたの?」
「ねえカエデ。一緒に行こ」
別にいいけど、と言いながらカエデはドリンクバーを見て、なるほど、と納得。
ドリンクバーには数人の男子学生が溜まっていて、一人がコップに氷を入れ、一人が飲み物を入れ、一人がストローを差し、というように分担しながら楽しそうにしている。
あの中へ一人飛び込むのは無理だよな、とカエデは立ち上がる。
「怖いから手つないで行こう」
ヤヨちゃんがそう言ってカエデの手を掴む。
「いやいや、そっからそこだよ」
そう言ってカエデは一人歩き出す。
待ってよ、と慌ててヤヨちゃんは続く。
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