~プロローグ~

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~プロローグ~

 リンゴケーキセット(ピーチケーキ)を頼んだ。 「はー、美味しかった」 「満足した?」 「うん! また来ようね!」 「そうだな……って、おい」  僕は、財布の中身を確認してため息をつく。まあいいや、今日くらい奢っても……。 「じゃあ、そろそろ帰ろうか」 「うん!」  僕らは帰路についた。 「じゃあね! 今日はありがとう!」 そう言って、彼女は自分の家へと帰っていった。なんか、今日のデートは楽しかったな……。 「また、デートに誘おうかな」  僕は、独り言を呟いた。 「ただいまー」 僕は、家に帰ってきた。すると、妹の(かえで)が出迎えてくれる。 「お帰りお兄ちゃん!」 「おう!……ってあれ? なんでお前いるんだ?」  楓は、今日友達と遊びに行っていたはずだけど。 「……ちょっと遊びに行くのに飽きちゃってさ」 「おいおい……」  飽きっぽい性格だな、こいつ。まあ、それは置いといて……。 「今日の晩御飯は?」  僕は、楓に尋ねた。 「カレーだよ!」  楓がそう答えたので、僕は喜んで返事をした。 「……よしっ!じゃあすぐに部屋に戻って勉強するから」 僕は、自分の部屋に向かおうとした。しかし……。 「お兄ちゃん、ちょっと待って!」  楓に呼び止められた。 「ん?どうしたんだ?」  僕がそう尋ねると、楓が答えた。 「今日ね、お兄ちゃんのクラスに転校生が来たんでしょ!?」  僕は、その質問を聞いてびっくりした。なんでそんなこと知ってるんだ? と……。すると、楓が続けて言った。 「フルーツ3つで、お兄ちゃんのクラスの転校生の情報を教えてあげる!」  僕は、その条件に少し考えた。でも……まあフルーツ3つなら安いもんかな? と思い楓に言った。 「わかった!じゃあ頼むよ」  僕がそう言うと、楓は嬉しそうに言った。 「ありがと!じゃあちょっと待っててね」  そう言って楓は、リビングに戻っていった。僕は、自分の部屋で勉強をすることにした。 「よしっ!やるか!」 それから30分くらい経った頃だろうか? 楓が部屋に入ってきた。 「お兄ちゃん!持ってきたよ!」  どうやら情報を持ってきたみたいだ。 「おう!ありがとな!……ってあれ?なんでお前ここにいるんだ?」  僕は、楓にそう尋ねた。 「えっ?だってフルーツ3つくれるって言ったじゃん!」  そうだったかな?……まあとりあえず言ってみるか。 「ああ……確かに言ったな」  僕がそう言うと、楓は嬉しそうに言った。 「じゃあ教えてあげるよ!転校生の名前は、中村 和人(かずひと)君だよ!」 楓は、そう言うと部屋から出ていった。僕は、少し考えた後……勉強を再開した。 「よしっ!頑張るか!」  それから1時間くらい経った頃だろうか? 僕の部屋のドアがノックされた。 (コンコン) 「お兄ちゃん、入ってもいい?」  どうやら楓が戻ってきたみたいだ。僕は、ドア越しに言った。 「ああ!いいぞ!」 (ガチャ)  ドアが開くと、そこには楓が立っていた。 「どうした?もう情報は全て話しただろ?」  僕がそう言うと、楓は首を振った。そして……言った。 「お兄ちゃん、まだフルーツ3つもらってないよ?」  僕は、楓の言ったことに驚いた。 (えっ!?もう情報話したじゃん!)  僕がそう思っていると……。 「ほらっ!早くフルーツちょうだいよ!」  楓がそう言ってきた。まあ……約束は約束だ。  仕方ない、渡すか……。 「わかったよ!ほらっ!」 (スッ)  僕は、机の引き出しからフルーツ3つを取り出して楓に渡した。すると……。 「ありがとう!じゃあ私は部屋に戻るね」  そう言って楓は部屋を出ていった。僕は、楓の後ろ姿を見ながら思った。 (あれっ?フルーツは2つじゃなかったっけ?) でも……もう渡しちゃったから仕方ないか! 僕はそう思うことにして、スマホで時間を見た。もう夜の11時を過ぎていた。 「あっ!?そろそろ寝ないと!」 そう言って、僕は歯を磨いてからベッドに横になった。 そして、今日のことを思い出していた。 (今日は本当に色々あったなぁ……) そう思いながら、僕はいつの間にか眠りについていたのだった。  
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