3月1日

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…それからのことはあまり覚えていない。 気づいたら、私は自分の部屋で、机の上に伏していた。 『話があるんだけど』 美雪ちゃんの、冷たい表情を思い出す。 明日の16時、私は保育園地下1階の控室で彼女と待ち合わせることになった。 遊戯会、地下1階、怖い顔、話ーー。 話の内容はきっと…昨日のことだ。 私が彼女の衣装を切り裂いたことを、知ってしまったのだ。 ぐっと私は頭を腕の中に潜り込ませる。 美雪ちゃんに会うのは怖かった。 けれど、これで良かったのだとも思う。 いつまでも隠しておくことはできないと思った。 けれど。 私は、保育園での美雪ちゃんとの日々を思い出す。 今日みたいに、彼女が私を助けてくれた日があった。 その日以来、私は美雪ちゃんといつも一緒にいるようになったのだ。 彼女の太陽のような笑顔にいる時間が、私にとってかけがえのないものだった。 そんな彼女との大切な日々が壊れてしまうのが、私は…嫌だった。 「明日が、来なければいいのに」 そう呟いたまさにその時だった。 「明日は僕が、お届けするのだ!」 小さな男の子のような声が私の耳元に響き渡った。
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