少年と石

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 病室に戻って図鑑を引っ張り出した。  床頭台に星の石と図鑑を並べる。隕石が落っこちて来る時は光り輝くらしい。が、僕が見た限り空はいつも通りで光ってなかった。  気のせい……? これは普通の石? 一瞬思ったが首を振る。まずは信じることが第一歩だとおばあちゃんが言っていた。  これは宇宙からのプレゼントだ。僕に宇宙までおいでよってメッセージをくれたのだろう。宇宙に来れるように頑張れって、きっと言ってくれているのだ。  科学的に考えるとこれは否定されるかもしれない。けれど、僕はこの石を、自分を、宇宙を信じることにした。    図鑑を棚にしまって、星を窓際に飾った。  空はだいぶ暗くなり、細い月の光が差し込むできた。星もようやく出番だ、と言わんばかりに少しずつ輝き出す。  星の儚くでも、美しく、どこか逞しく輝く姿にずっと惹かれている。  いつか、絶対あの場所へ……もっと自由なあの空間へ……    月の光に星の石が優しく照らされいていた。
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