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仕事が定時に終わった日、近くにある玩具屋で息子が希望するプレゼントを探す。
しかし、絵のような物はなかなか見つからない。
悩み唸る俺に1つの声がかかった。
「あの、すみません」
「はい?」
声をかけてきたのは息子の友達のお母さんだった。ちょうどいいタイミングだと思い、息子が遊んだという物を聞き出す。
無事玩具を見つけ少し立ち話をした後、互いに夕食の支度をしなければと解散した。
急いで帰宅すると息子の元気な声で迎え入れられる。「ねぇ!プレゼント貰えるようにちゃんと飾ったの!」
何のことだろうと手を引く息子の後をついていく。ほら!と見せられたのは、クリスマスツリーにテープで付けられた玩具を描いた紙だった。つい、七夕かなと錯覚してしまう。
「うん、これならサンタさんも間違えないよ」
「サンタさんはパパのプレゼントも持ってくるー?」
「うーん、パパには来ないかな…?」
「そーなの…?じゃあ僕がサンタさんになる!」
''サンタになる''と言われ一瞬動揺する。
「サンタさんになってパパを笑顔にするの!毎日頑張ってるから少しでも休んでほしくて!」
アドベントカレンダーの残り1つとなった窓を眺めながらにこにこと笑う息子を眩しいと思いながら、こんな日が続けば良いなと心の底から願った…。
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