逢瀬のような

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「ねぇねぇ!このキラキラしてるのは何!?」 「…それは指輪だな」 「指輪…?」 「あぁ、こうやって指にはめるんだ」 黒は言いながら葉月の指にはめていく。 「わぁ!綺麗〜!」 「気に入ったか?」 「うん!」 「店主よ、これを売ってくれ」 「え…いいよ…!」 「遠慮することは無い。これも''お願い''のうちに入っている」 「…っ!ありがと」 まるで拒否権はないと思われるような言葉で返されれば素直に従うしかない。 「あー…実はこの指輪は二つセットで売っている物なんだ」 しかし、いざ買おうと値段を聞こうとすると店主が困ったような顔で言った。 「かまわない」 「そんな…!もっとお金必要になっちゃうでしょ…?」 「あぁ、しかし葉月はこれが気に入ったのだろう?」 「そうだけど…」 「私が好きでしている事だ。気にするな」 「うぅ…わかったよ」 葉月は渋々と指輪を受け取ると片方を黒の指にはめる。 「葉月…?」 「これはわたしが好きでした事だからね!文句は聞かなーい!」 「ふっ…。ありがとう」 二人はキラリと輝く指輪をはめ、手を繋ぎながら帰路へとついていった。
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