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「葉月。君は私が思っていたよりずっと大人になっていたのだな」
「そうよ!黒さんに拾われてから十年も経ったんだから!」
「あぁ…あの日からそんなに経っていたのか」
黒は懐かしむように目を細めた。
「あの頃の私が恋しい?」
「ふっ…。随分言うようになったな」
「黒さんに育てられたからね!」
「そうか、私に似てくれたお前が好きだぞ」
「私も、優しい貴方だから好きになったの」
黒は葉月を抱き寄せると触れるだけの口付けを残し、二人は何処かへと旅立って行った…。
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