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共同生活の始まり
「夜通し歩き続けたが大丈夫か?」
朝になる頃に森を抜けた二人の目の前には、大きな屋敷が佇んでいた。
黒が葉月を支えながら歩いていく。門を通り、縁側へと腰を下ろす。
「ここは黒さんの家?」
「そうだ。今日からは葉月と二人で暮らすことになる」
「こんな大きな家に一人でいたの?」
そう、この屋敷は村では見ることのなかった二階建ての豪邸と呼ばれるものだった。
「ああ、だから寂しくもあったな…」
「…大丈夫。わたしが黒さんを飽きさせないようにするから!」
「それは楽しみだな」
黒は目を細め、葉月の頭を優しく撫でる。
ここから二人の騒がしい生活が始まった。
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