給仕のはずだった

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なんとも言えない雰囲気を醸し出している黒に、どういった対応をとれば良いのかわからなくなる葉月。少し後ずさり逃げようとすれば、足がもつれ転びそうになる。 そんな葉月をふわりと抱きとめながら、くすくすと笑う黒。 「少しからかいすぎたな」 「もう!黒さんはお給仕禁止!」 照れ隠しかまたは本当に怒っているのか、顔を赤くさせた葉月が捨て台詞を吐き、今度こそ屋敷に逃げ込んだ。 「…なんだろうな、この愛おしさは」 黒は葉月が去っていった方を見ながら慈しむように呟いた。 「しかし、どうしたものか…葉月には休んでもらいたいのだがな」 思案しながら葉月の後を追うように屋敷へと入っていく。
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