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社員達が一斉にオーシャンの方を向いた。
あたしも隣に立っていたから、あたしの方まで。
あたしは驚きすぎて涙は引っ込む。
オーシャンからは一瞬驚いた空気が出ていたけど、本当に一瞬だけで。
『真坂部長、こっちへ。』
“女帝”が、まさかのオーシャンを壇上に上げようとしてくる。
これには意味が分からなくて・・・。
あたしには、こういうのは分からなくて・・・。
これから何が起きるのかが、分からない・・・。
「明ちゃんの友達、恐ろしい権力者と友達になったね・・・。」
オーシャンがそんなことを言ってから、ゆっくりと壇上に向かって歩き出した・・・。
そして、麻美社長の隣に。
剛士とは反対側に立った。
これから何が起こるのかが分からなすぎて、あたしは震える両手を握り締めた。
そしたら・・・
あたしの隣に誰かが立って・・・。
隣を見ると、藤岡副社長の秘書の男性。
秘書の男性が優しい笑顔であたしに笑いかけてくれた時・・・
『真坂部長は、藤岡ホールディングスから出向させていた社員でした。
約10年間、あちらを整えてくれていた我が社の社員です。
事業譲渡ギリギリまであちらに残り最後まで綺麗にしてくれ、4月からやっと我が社に戻ってきてくれました。』
そんな・・・
そんな・・・
信じられない、嘘を・・・。
嘘を、言った・・・。
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