OPEN

4/5
前へ
/5ページ
次へ
少年は余計に頭の中がこんがらがった。 「そのままって…」 少女はもう1度答えた。 「ですから、過去を書き換えて部活についていけなかった自分を無かったことにするんですよ」 やはり、理解が出来なった。 その時、少女は沢山ある本棚のそばにいた。 そして、1冊の灰色の本を手に取った。 少女はこちらを振り返って言った。 「では、これより恩田様の過去を書き換えて差し上げます。」 少年は最後にと前置きをした上で聞いた。 「過去を書き換えると今の自分では無くなる、ということでしょうか?」 少女は質問に答えた。 「はい。そうなる場合が多いですね。大半の方は、そうなっております。」 少年は考えた。 今の自分では無くなるということは、周りのみんなについていけるようになるのでは無いかと。 だからこそ、答えを出すのに時間はかからなかった。 少年は少女に向き直った。 「過去を書き換えて下さい。」 少女はにやつき返事をした。 「かしこまりました。恩田様。」 少女は返事とともに1冊の灰色の本をめくった。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加