記憶にない記憶

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生徒D: なーんてね!どぉ?真由美、びっくりした?  突然の生徒Dのセリフに皆が驚く。 真由美: はぁ? 生徒D: ドッキリでした〜!どぉ?どぉ?どんな気持ちだった?  生徒Dが嬉しそうに真由美に詰め寄る。  真由美は驚きのあまり座ったまま放心状態だ。 生徒H: …記憶なんて、抜け落ちていても普通気がつかねぇよな。 生徒I: 俺なんて昨日の晩メシのメニューも忘れたわ。 生徒F: ちょっとおじいちゃん、ボケるにはまだ早いデスヨ。 生徒D: やっぱりいい演技をするには、色んな経験が大事でしょう!頑張ってね!文化祭でのしゅ・や・く!  そう言いながら、生徒Dは真由美を立たせる。  生徒Dのセリフで、場が和む。恵理子も半笑い。 真由美: びっくりしたぁ…。私、何かしでかしたのに覚えていないのかと。 生徒C: ドッキリ大成功! 生徒A: さっ!ストレッチ終わったら、校庭走るよー! 生徒G: うげー、午後の体育でも走ったのに…。 生徒A: 何言ってるの!演劇は体力必須よ!さあ、昇降口前に集合してね!  生徒A〜C、F〜Iは順番に恵理子(生徒E)の肩を叩いたり、一言話しかけて部室からはけていく。  真由美は背を向けていたので、その様子を知らない。  生徒Dは恵理子を連れて部室を去る。  教室には真由美だけが残っている。 真由美: …あぁ、びっくりした。あの事を言っているのかと思った。  真由美はひとり、フフッと笑った。
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