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もっと力があればいいのに、とあなたは言う。
もっと頼ってくれればいいのに、と私は思う。
早く有名になりたい、とあなたは言う。
ずっと独り占めできればいいのに、と私は思う。
こんな自分ではまだ足りない、とあなたは言う。
そんなあなたに惹かれて、
私の頭のなかは、もうあなたで満たされている。
自分はどうせ誰にも理解されず、
一人ぼっちなんだ、とあなたは言う。
いいえ。
あなたのことを理解して、応援して、寄り添って、
朝も昼も夜も通知が鳴れば飛んでいって、
あなたの声を漏らさず聴いて、
課金して、妄信して、崇め奉って、
たまに八つ当たりされて、暴言吐かれても、
自己保身と劣等感まみれの愚痴を聞かされても、
あなたの弱いところを全部受けいれて、
最後まで、そばにいてあげられるのは私だけ。
そう。
依存という名の甘い毒は、ゆっくりあなたを蝕んでいく。
いつかあなたが私無しでは生きていけなくなるまで
私は黙ってあなたを裏切り続ける。
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