プロローグ

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プロローグ

「めっちゃ綺麗、なんですね。クリスマスツリーって」 俺たちの目の前に堂々と聳え立つ、煌びやかなクリスマスツリー。 赤とか青とか黄色とか、それぞれにチカチカと光る様と雪の結晶のオーナメントに、自然とサンタクロースを連想させる。 季節はもう、冬真っ只中。 そして今日は、クリスマス。 俺たちが出会って、三度目のクリスマス。 「そういえば、湊と初めて会った日もクリスマスだったよな?」 「そうだけど〜それは、言わなくていいっていうか」 「なんで?あの時、出会わなかったら俺たち、付き合ってなかったのに」 「だって、あの日の俺、めちゃカッコ悪かったし」 去年、俺がクリスマスにプレゼントした真っ赤な色のマフラーに顔を埋めてそんなことを言う湊に、俺は敢えて言ってみる。 「そうか?俺はあの日から、湊のこと、可愛いって思ってたけどな」 「はあ⁈なに言っちゃってんの!馬鹿じゃん、煌太さん!」 そう言えば、必ず、意地になる湊が可愛いから俺はつい、揶揄いたくてしょうがない。 そうやって来年も再来年も、その先もずっと、可愛い湊を俺だけに見せてくれ。 もし、サンタクロースが本当にいて、プレゼントを届けてくれるとしたら、俺はたった1つ、それだけを願うだろう。 可愛くて大好きな俺の恋人が、この先もずっと、俺の隣にいさせてくれますようにって。
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