14人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
俺だけに見せて、可愛いその姿。
俺の一日は、恋人の第一声から始まる。
「煌太さーん、朝だよ!朝!早く起きろー!」
俺の名前は水希 煌太。30歳。職業は派出所お巡りさん。
9歳歳下の恋人、雫井 湊。職業新米保育士と絶賛ラブラブ同棲生活中である。
「はいはい、そんなに何回も呼ばなくても起きれますから」
「はい、嘘でーす。それ、一緒に住んでから何回聞いたと思ってんですか」
一見、なんの関わりもないような俺たちだけど、世の中の出会いなんて大抵そういうもんだろう。
第一印象はお互いに最悪だったとしても、結局のところ、俺がこいつと一緒にいたいって思ってしまったんだから、本能には抗えないものだ。
「煌太さん、約束覚えてるよね?」
「は?約束?なんだっけ?」
「はあ⁈マジで言ってんの、それ!」
「嘘に決まってんだろ?本気にすんなよ」
だからこうやって、ムキになるとことか、俺の一言に一喜一憂するとことか、俺だけが知ってるこいつをつい、見たくて堪らなくてからかっちゃうんだ。
最初のコメントを投稿しよう!