俺だけに見せて、可愛いその姿。

1/4
14人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ

俺だけに見せて、可愛いその姿。

俺の一日は、恋人の第一声から始まる。 「煌太さーん、朝だよ!朝!早く起きろー!」 俺の名前は水希 煌太。30歳。職業は派出所お巡りさん。 9歳歳下の恋人、雫井 湊。職業新米保育士と絶賛ラブラブ同棲生活中である。 「はいはい、そんなに何回も呼ばなくても起きれますから」 「はい、嘘でーす。それ、一緒に住んでから何回聞いたと思ってんですか」 一見、なんの関わりもないような俺たちだけど、世の中の出会いなんて大抵そういうもんだろう。 第一印象はお互いに最悪だったとしても、結局のところ、俺がこいつと一緒にいたいって思ってしまったんだから、本能には抗えないものだ。 「煌太さん、約束覚えてるよね?」 「は?約束?なんだっけ?」 「はあ⁈マジで言ってんの、それ!」 「嘘に決まってんだろ?本気にすんなよ」 だからこうやって、ムキになるとことか、俺の一言に一喜一憂するとことか、俺だけが知ってるこいつをつい、見たくて堪らなくてからかっちゃうんだ。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!