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ハアハアと息を乱す湊の肩を掴み、落ち着かせるように言う。
「…そうしなきゃならなかった。それだけだろう」
言った側から腑は煮え繰り返りそうだった。湊と司が関係を持っていたからではなく、湊と関係を持った全ての人が許せなかった。
乱れる湊を見た全ての奴が、憎かったんだ。
同時にそうしなければならなかった、そうさせた親に対しても嫌悪感が増した。だが、部外者の俺がどうこうできる問題でもなく、悔しいと歯を食いしばるしかできない。
結局俺は、何もできないんだ。無力な年上の恋人でしかない。ならば、せめてー。
「過去は変えられないが、これからは変えられる。俺はこれから、湊とずっと一緒にいる未来にしていきたい」
年下で強情っぱりでだけど可愛い恋人を、笑顔にさせてあげたい。
悔しい日も辛い日も苦しい日も、ずっと側で湊を抱きしめるから、だからどうか笑っていてくれ。
「湊、ずっと俺と一緒にいてくれるか?」
「ッッ…!そんなの、当たり前…ッッ‼︎」
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