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「まあ、物理エネルギーに捉われている旧態依然の地球人には使い熟せないっす。そんなことはさて置き、光子さんの動物に好かれる才能に惚れたっす。俺と一緒に仕事しませんか?」
「仕事って?」
「ペット探偵っす。この星ではライバル同業者が大勢いるんで、いっそのこと地球で開業しようかななんて思ったり。その際は光子さんの力を貸して欲しいっす。それに地球で暮らすにはこの巨人のままじゃめっちゃ都合悪いんで、以前の光子さんの姿をお借りしたいっす」
「こんなオバさんで本当にいいの?」
「イイよ!」
ルミナスは渾身の力でサムズアップした。それは地球の関西の深夜番組でスクープを追う探偵の芸人モノマネだったので光子は爆笑してしまった。
後に『ルミナス光子ペット探偵局』が地球にオープンした。毎日犬猫や小鳥を探し回り、時には屋根裏のニシキヘビや動物園から逃げた猛獣まで捕獲した。
世界各地で大災害が起こった時には光子からルミナスへと巨大化して、被災者や被災動物の救援に大活躍した。
全く家に帰れず、亡き息子や夫やマメちゃんのことを思い出す暇も無い程に忙しく充実したセカンドライフだったが、お隣の房代さんの初孫ちゃんに逢いに行けないのだけがちょっぴり不満な光子だった。
終劇
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