ルミナス

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 カスタネット色の巨人は、大人しく従っている豹柄猫犬ゴリラ恐竜な大怪獣をお姫様抱っこしたまま宇宙空間を光を超えた速度で飛んでいた。 「汝よ、我と共に進むのは苦ではないか?」 「あのさあ、気を使わなくもいいわよ。普通に喋って頂戴な」 「あれ、気取っているのバレてました? 俺もそろそろ限界で舌を噛みそうだったもんで。普通に喋るっす。ところでお名前はなんて言うんすか?」 「私? 私は光子ですよ。お兄さんは?」 「あ俺、ルミナスって言います」 「ルミナスちゃん、なんで私を助けてくれたの?」 「死なせちゃったら業務上過失致死でライセンス剥奪されてしまうんすよ」 「それって宇宙(スペース)ヒーローや戦士とかのライセンス?」 「ちゃうす。そんなカッコいいもんじゃなくって動物保護ライセンスっす。俺の住む星雲では超鳥獣保護法がめっちゃ厳しいんす。けど......凄いっすね光子さん。俺でも手懐けられなかった悪戯っ子のコイツを一発で大人しくさせるなんて」 「うふふ、昔から動物と子供には好かれるのよ私。ところで今は何処に向かってるの」 「この子の飼い主の依頼人のところです。コイツ今までも遠くに逃げ出した前科あるんすけど、まさか地球まで逃げるとは思ってなくて焦ったっす」
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