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ルミナスが辿り着いた宇宙大都会の異景はスタートレックさえ全く理解出来なかったSF偏差値の低い光子の語彙では全く形容出来なかった。
ゴロゴロ喉を鳴らす犬猫怪獣を無事に依頼人に送り届けた。
「ところで此処はどこなの?」
光子は訊いた。
「大マゼラン星雲の惑星、新地球です。俺も含めて、この星の住人は太陽系の地球人の転生組が多いらしくて。親近感が湧かないっすか?」
ルミナスの肉体の中で二つの精神で会話するのにも慣れた光子だったが、大巨人が怪獣をペットにして散歩している光景には親近感は抱けなかった。けれど不思議と畏怖の感情は皆無だった。
「でもあっという間に着いたけど、地球からどれくらい離れているの?」
「うーん、ざっと15万光年くらいっすかね?」
「ジュジュジュ......?」
光子は言葉に詰まった。
「光の速さなら15万年掛かるってことっす。でも俺たち星人にはそんな遠い距離じゃないっす」
光子は航行の謎を尋ねた。
「心が速るって言葉あるじゃないっすか? 理論はアレですよ。光より速いのは精神と思考なんです。想いを推進力にしてるんです。コツを掴めば恒星間もひとっ飛びっすよ」
光子にはルミナスが何を言っているのかが全く理解出来なかったが、それを言うなら「心が逸る」じゃないのかと疑問に思った。
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