2人が本棚に入れています
本棚に追加
リアルに恋して何が悪いんだ!
「ねえねえ昨日の奏くん見た?」
「見た見た!ちょ~~カッコよかった!てか私の推しもやばくない?ビジュ良すぎなんだけど」
隣で盛り上がっているのは絶賛人気急上昇中の4人組アイドル「FLASH」の話なのだろう
アイドルにあまり興味のない私はボーッと耳を傾けていた
「莉琉もちょっとは興味持ってよ~」
ほらほらカッコイイでしょ?!そう言ってスマホの画面を私に向けてくる
『んー、みんな同じ顔に見える』
「もー!アンタはアニメと漫画にしか興味無いんだから!」
その通りだ。私こと池田莉琉はアニメと漫画が好きだ。
だから「推しがカッコイイ」という気持ちは十分に理解出来る。
「あー!奏くんみたいな人と付き合いたい」
「というかマジで好き。彼女いたらどうしよう無理」
そんな様子を微笑ましく眺めていた
「おい、池田~」
突然担任の先生から呼び出しを受ける
「次の授業、文化祭の話をするから瀬名呼んできてくれないか?保健室にいるから頼む」
先生私が保健委員だからってパシッたな~
でも授業抜けれるからラッキーと保健室に足を運んだ
『失礼しまーす』
保健の先生は留守なのかシーンと静まり返っている
『瀬名くんいるー?』
返事が返ってこない。寝ているのかな?
そこで一つだけカーテンが閉まっているベッドが手に入る
『瀬名くん?』
呼んでみたけれど返事はない。
開けるよ~と声をかけてカーテンを開くと頭に腕を乗せて寝ている1人の生徒がいた
瀬名くんで合ってるかな?
実の所をいうと瀬名くんの顔をあまり知らない
学校になかなか来ないしいつもマスクとメガネをかけている
だから 瀬名くん=マスクとメガネ って感じで認識しているのだ
つけていないと正直合ってるか自信がなくなってくる
『瀬名くん?』
トントンと肩を叩くとビクッと少しだけ動いた
『あのー...』
少し大きな声で声をかけたからかバッと勢いよくカラダを起こされたので頭と頭がぶつかってしまった
『「いった」』
目が合うとお前誰だよという気持ちがビシビシと伝わってくる
『あの、瀬名くんだよね?』
『先生が文化祭の話をするから呼んできてって、、、』
『あ!!!!!』
私が顔を見て大きな声を出すから自分がメガネとマスクをしていない事に気付いたのだろう
チッと舌打ちをしながらつけはじめた
『え、瀬名くんって』
さっき友達が見せてきた写真にいた人だよね?
「おい、お前今見たこと誰にも話すなよ」
『え、あ、はい』
面倒くさそうに私を睨んでくる
「特に、お前の友達のよく騒いでいるヤツらにバラしたら殺す」
こ、この人口悪っ!こわっ!
ただ少し疑問に思う。なんで隠してるのだろうか。どうせ直ぐにバレそうなのに
『誰にも言わないけど、なんで隠してるの?』
問いかけると顔が険しくなった
「俺はオマエの友達みたいに理想押し付けてくる女が大っ嫌いなんだよ」
最初のコメントを投稿しよう!