五日目 クリスマスと大晦日

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五日目 クリスマスと大晦日

 12月5日、雪。  最近日記を書くことができなかった。  梅さんと一緒に過ごす時間が多くて、ついでに友達の相手をしなくちゃいけなかったから、寝る時間が多く暇がなかった。  思い返してみれば、この年はとても僕の人生を左右したものだと思った。  僕にとっては、とても幸せな日々だった。  あいつさえいなければ。  あいつさえいなければ、僕の人生は謳歌されていたものだった。なのに、あいつがいるせいで、僕の好きな人はあいつに取られてしまう。  なんとしてでも、絶対に手に入れたい。  一緒にいたいんだ。  12月25日、雪。  今日はクリスマスで、今年一番とても幸せな日々だったと思う。  家族で一緒にプレゼントをあげたりもらったりし、美味しい食事をとって、面白いテレビを見て、暖かい部屋でゆっくりとしていた。  なのに、こんないい日に限って、僕のいい気分はぶち壊された。  夜中起きると、梅さんがいなかった。部屋をノックして開けてみてもどこにもいない。  何気なく外をみてみると、梅さんとあいつが密会をしていた。  プレゼントを渡しているようだった。  この時、僕は振られてしまえと心の底から思った。そんなことを思ってはいけないとわかっておきながら願ってしまった。  だが、僕の願いは壊れる。  あいつが梅さんを抱きしめて、プレゼントを受け取っていた。  僕は自室に戻って、梅さんからもらったプレゼントをゴミ箱に投げ捨てた。  部屋のノートを破り捨てたが、日記だけは捨てられなかった。  その日、僕は泣いた。  12月31日、晴れ。  気持ちが晴れないまま、僕は年を越すのかと思った。  梅さんはずっと機嫌がいい。  僕と違って。  梅さんは僕のことに気づかないくらい幸せにいるのだろう。  一応僕は悟られないように機嫌がいいようにした。  料理を一緒に作っている時会話をした。 「湊人は何が好きですか?」  そう聞かれ、僕はひねくれたような言い方をして。 「僕好きなものないんですよね」  と言ってしまった。梅さんは驚いた顔をしていたが、すぐに笑顔になった。 「嫌いなものないっていいことですよ! 私は、ピーマンが苦手ですかね」  その時、僕は笑ってしまった。可愛らしい一面をみていたから。 「子供っぽいですね」  そういうと、梅さんも笑った。  海斗は来なかった。  その日は鐘の音を聞くまで、喋っていた。とても幸せだった。  鐘の音が鳴る。  梅さんは携帯をいじり始めた。恐らく、海斗に送っているのだろう。  僕にとって、最悪の新年の始まりとなってしまった。
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