六日目 元日

1/1
前へ
/7ページ
次へ

六日目 元日

 1月1日、朝。  一日中起きていて、僕は梅さんにおはようと言いにいった。  梅さんのドアをノックしようとしたが、話し声が聞こえてきた。  男の人の声が聞こえてきて、僕の気持ちが怒りに満ちていた。  僕が怒るのは筋違いだろう。だから、怒ることはできない、それでも、僕はこの怒りをどこにぶつければいいかわからなかった。  僕は自室に戻って、ベッドに座って泣いた。  そして、そのあと、泣き終えると、家族みんなで神社に行った。  神社には人が溢れていて、迷ってしまいそうだった。 「お、梅と湊人、こんなところにいたのか」  あいつが話しかけてきた。 「海斗さん!」  梅さんが嬉しそうな声を出して言っていた。  両親は僕を連れて、別々に行動をするということになった。  邪魔はしないように行動するということだった。  僕の存在は邪魔なようだ。  心が苦しくなった。  1月2日、雨。  今日は雨が降った。  何も考えつかなかった。  1月3日、曇り。  梅さんと海斗さんが楽しそうにリビングで話している。  ノートを破り捨てた。  1月4日、雨。  殺したい。  鏡を見たら、顔がわからなくなった。  ドス黒くて、ドロドロとしていた。  気持ち悪い。  自分の気持ちを表しているようで嫌だった。  吐き気がする。  殺したい。  なんで。  なんでそばにいてほしい人たちは、いつも手に届かないのだろう。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加