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終わり
* * *
警察が入ってきて、何人か湊人の家の中を捜査する。その時、偉い警察官が日記を見つけた。
途中までは、普通の日記だった。
ペラペラと捲っていくと、固まった。
「これは」
驚いて見ていると、助手がやってきて「どうしたんですか」と聞いてきた。
それにはこう書かれていた。
* * *
最後のページの日記の内容。
死ねばいい。
みんなみんな死ねばいい。
僕は、梅さんを殺した。
首を絞めて、逃げ出せないように手足をノコギリで斬った。
悪いのは自分、わかっている。
だけど、僕はなんでこんなことをしているんだろう。
あいつは隣で死んでいる。
頭がなかった。
両親が叫び声を上げていなくなった。
梅さんが冷たくなっていた。
僕は一体何をしているんだろう。
さよならをしなきゃ。
梅さんに会うために。
梅さんとあの世で会うために。
あれ、何をしていたんだっけ。
どうして、こんなことをしているんだっけ。
息をするのが辛い。
いいなあ、いいなあ、あの世でも仲良しなんだ。
僕だけ、置いてけぼりなんだ。
僕だけ、責められるんだ。
僕は、好きなのは変わらないのになぁ。
僕が生きているのは罪ですか。
もういいや、最後のページだし。
僕も死のう。
さよなら、みんな。
さよなら、自分。
さよなら。さよなら。
意味不明な人生。
終わり。
* * *
警察官は周りの悲惨な光景を見直して、ため息をついた。
「湊人の死体は」
「見つかっていません」
「逃亡中か、それとも夢遊病か」
警察官はしばらく考えたのち。
「探せ! まだ、そう遠くに行っていないかもしれない!」
「はい!」
探しに出かけた。
そう、これは梅と海斗と両親の死体しかなく、湊人の死体は全く見つからなかっった。
それは十数年経った今でもだ。
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