第二十二話 囚われた王子様

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ミカエルは、面食らったように黙った後、ようやく答える。 「唇に、口づけをする」 「――」 声にならなかった。 私はーー本当にひどいことをーー。 ――私は自分のしてしまったことを悔いながらも、急いで奏にキスをする。 すでに水は奏の頬まで侵食しており、私の口にも、水が入る。 ピカッ――!! 途端に、大きな光に包まれた。 それは、暖かい光。 あまりの居心地の良さに、今までの辛かった記憶や、怖かった感情が、徐々に消えていくのがわかった。
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