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「あの人間は」
やっと、神が続けた。
「君の自殺後も、惚れ薬によって閉じ込められたまま今まで彷徨っていた。
ミカエルの魂も――。
これは、許されないことだ。」
ちくりと胸が痛んだ。
その痛みはやがて、大きく広がっていく。
分かってはいたが――改めて聞かされると、結構堪えるものだ。
その様子を見て、神がフォローするように話す。
「しかし、彼の辛い人生に同情するその優しい気持ちは、尊敬に値する。
何人もの人間を迎えにいく君の心は、いつまでも健在なようだ」
この人は――。
この人の話し方は、なんだか胸が痛いような、暖かくなるような、そんな話し振りだ。
ルシファーが、言っていた。
『その上情け?』と。
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