第二十四話 願いはーー

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「人間と、ミカエルの記憶を通して、俺はお前にもう一度チャンスをあげた。 お前の存在は、無駄なんかじゃなかったようだぜ? ――少なくとも、二人はお前のことを想っていたのだから。 それで十分さ」 神の光が、私の体を再び覆う。 「苦しかっただろう。 罰とはいえ、とても長い間暗闇の中で過ごし、自分の罪と向き合って後悔したはずだから。 気が遠くなるほど、長い時間。 ――そして、再び立ち上がり、辛い記憶を思い出す試練に出たんだ。 ゴブリンたちと戦ったり、傷ついたり、くじけたりしながら、ようやくここまでたどり着くことができた。」 その言葉に、私は暗闇に閉じ込められた後から、ここまでの長い記憶の旅を思い出す。 長かったような、あっという間だったような。 でも、私にとって、魂が成長できたいい経験だったと思う。
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