第二十四話 願いはーー

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「羽を今でも大事に持っているくらいだ。 奏は、知っていただろう? あの時の天使が、アズラエルだってことをな」 「……最初から気づいていたわけじゃない。 天使の姿になってから、気づいただけ」 「そうかそうかぁ!」 何かを隠すようにニマニマ笑い出す神に、奏は突っかかる。 「何なのその顔。 さっきから言ってるけど、僕は助けてくれなんて頼んでない。 あんただって、記憶を見てたんでしょ? 何度もおんなじ地獄を繰り返すなんて」 「……」 私は、意を決して、奏の前に立つ。 「本当に、ごめんなさい。 誤って許してもらえるようなことではないのは……わかってる。 貴方の傷をどれだけほじくり返してしまったのかも。 だから、せめて、輪廻転生した次の人生を謳歌できるように、次の人生での願い事を何でも言ってちょうだい」 「……」 黙り込んだ奏に、神がボソリと漏らした。 「安心しろ、アズラエル。 奏には毎日願ってたくらい大切な願い事があるぞ。 なぜなら、毎日のように、私に祈りを捧げていたからな!」
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