第二十四話 願いはーー

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その言葉に、奏が目を細めて言う。 「じゃあ、あんたは何なのって話。 いちいち万物のお父さんでしょ、とか言われたいわけ?」 「ぐっ――」 「罰として、次の人生は最上級にいいものにしてよね」 「お前っ神に罰をきせんのかよ?!」 「ふふふっ!」 「ふっ!」 みんなに笑われたあと、神はようやく真面目な顔で、奏に言う。 「お前の願いは、最上級の愛ってことでいいんだよな? お前の人生は、金や食事には恵まれていたが、圧倒的に愛情が足りていなかった」 「……みんなの前で言わないでって」 「いやー、毎日祈られればそりゃ言いたくもなる。 お前が天界へ来た時、すぐにピンと来たさ。 そのキツい言い方も、顔も、母親そっくりだしな」 「!」 奏の顔色が変わる。 「母さんが来たのーー?」
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