第二十四話 願いはーー

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「ああ。来たぜ。君が来るつい前さ。 そして、彼女はこれを渡してくれと、俺に頼んだーー」 神が懐から、ボロボロのぬいぐるみを差し出し、手渡してくれる。 「!! ああ‥っ! これーー」 「そう。 君が幼い時、母親がプレゼントしてくれたぬいぐるみだ。 彼女は死ぬ間際、それを握りしめていた。」 「どこへ行ったのかと思ってたけどーー。 ‥‥最初で最後のプレゼントだった」 ぬいぐるみを受け取りながら、奏の両目から光の粒が零れ落ちる。 それを見て、優しく神が続ける。 「お前にとっちゃ、いい母親じゃなかったかもしれないが、最期はお前を思っていたらしいぜ。 俺の前で大泣きして、どうか死なせないで欲しいと祈るほどにな。」
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