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私は深い悲しみに打ちひしがれながら、刻々と眠り続けたように微動だにしない彼を離して、足元に寝かせる。
ーーひどく疲れ切っていた。
……このまま、全身を食い荒らされるような痛みに苦しみながら絶命するのは、もう耐えられない。
私はうつろな目で立ち上がると、崖からそっと真下を見下ろす。
遥か下は真っ暗な海で、以前の私ならきっと躊躇していたはずだろう。
「ごめんなさい…」
そのぱっくり空いた闇に、目からあふれ出た水滴がきらりと零れ落ちる。
それを、遥か真下の波がからめとりながら渦を巻いてゆく。
その波の荒々しいさまは、まるで罪悪感と後悔でいっぱいな私の心を表しているかのようだった。
私は迷うことなく一歩を踏み出す。
――その瞬間、ぐらりと体が傾いて重力に促されるまま落ちていく。
海に落ちる間、他人事のようにもう一度自分に問いかけた。
どうすればよかったのか、と――
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