どこかにイケメン落ちてないかな

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 この日も仕事終わりに鈴香と1杯だけ、と約束して食事して帰ることになった。新しい友人とはまだまだ話すことがたくさんあって、同じ境遇というのは気楽で楽しかった。そうだ、学生時代の友人たちとも“同じ境遇”でいるうちは楽しかったっけ。  鈴香ともまた……どちらかに恋人が出来たり、結婚したら変わるのかな。もし私が結婚したらもうわだかまりなく既婚者のグループに入って、元の通り楽しく出来るのだろうか。……それって結局のところ、周りのせいではなく自分の中の問題だ。  なんとも情けない。 「そりゃそうよー。価値観なんてすぐに変わるんだから。あ、そうそう。今日は適当に暇な人声かけたから」  私が気にしていたことを鈴香はあっさりと言い放った。 「ずっと人間関係が同じなわけないでしょ。会いたかったら会えばいいし好きにしたらいいじゃん。社会人の仕事以外の人間関係で疲れたくない。ね、楽しくいこう」 「うん。そうだね」  これからどうなるか、なんて考えないで楽しく過ごそう。鈴香といると気持ちが軽くなるから不思議だ。それから、面識はあるが話したことのない、ましてやプライベートな話なんてすると思っていなかった男性二人が合流した。  同い年の井上くんと一つか二つか上の浦野さんだ。他部署なので直接的な関わりはなかった。 「おー、長谷さんだー」 「や、ほんと。初めましてじゃないけど初めましてー」  そんなゆるい感じで共に食事を楽しんだ。
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