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「昨日、友達と遊んでたら"輸血"を忘れちゃてさ。サプリも持ってきてなくて、でもそのまま飲みに行って朝までって感じだったから、まあ帰ってから"輸血"すりゃいいかーって思ってたんだよね。で、昼前に起きて、帰ろーと思ってたら、彼女から連絡来ててさ。それで今日デートだったわって思い出したのよ。ウケるでしょ?」
「…………」
(もしかして、さっきの女性は……)
「でまあ、待ち合わせ場所近いし時間もヤバいし、会ってから一緒に家いけばいいかーって思ったんだけどね。会ってみたらさあ……。ま、仕方ないよね」
「仕方ない、か」
「だってさ、こっちはオール明けでぶっちゃけ眠てーし、すんげー喉渇いてるし。そんな時に"美味そう"な首元見つけたら、そりゃガブっていくもんでしょ?」
罪悪感の欠片もなく、須崎は「それにさ」と小馬鹿にしたように鼻を鳴らし、
「アイツ、ずっと一緒にいたいからいつでも噛んでいいよって言ってたし、つまりこれって合意の上ってことじゃん? なのに勝手に死んでさ、どっちかーつーと、被害者は俺でしょ」
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