バーベナの決意

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 正直、怪しい。確かに充希はどこか抜けている所があるが、基本的に思慮深い。本当に、つい先ほど思いついた案なのか。  だがまあ、彼がこれを"真実"だと語るのなら、これ以上の追求をしようがない。それに正直、どちらでも良いことだ。  だから俺は「……そうですか」と嘆息一つで了承した。そして本題に入る。 「……充希さんは、どう思いますか?」 「どう、とは?」 「栃内さんです。なにか、変わったこととか」 「そうだな。今日は髪を結っていたな。そして表情も随分と明るくなった。キュートだな」 「いえ、そうでしたけど、そういうのじゃなくて……」  平日の駅周辺は人も疎らだ。そしていちいち他人の会話を盗み聞きするほど、暇な人もいない。  俺は双眸だけで周囲をさっと確認してから、戸惑いを口にした。 「……洗面台の鏡に、目隠しがあったんです」 「……それが何か?」 「昨日は、ありませんでした。病院側が自主的にそのような提案をする可能性は極めて低い。おそらく、栃内さんが依頼したのだと思います。……どうしてだと思いますか?」 「鏡に目隠し、ねえ。巧人はどうみる?」
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