バーベナの決意

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 日中は主に移動と面会、その後は少し相談所に滞在して帰る。  翌日も同じルーティンを繰り返し、四日目の訪問を迎えた俺達は、病院の中庭を三人で歩いていた。 「今日は少し、外を散歩してみませんか? 中庭程度だったら出てもいいと、警察の方に伺ったので……」  誘ったのは俺で、栃内は驚いたような顔をしつつも、すぐに「いいですね」と頷いた。  もちろん、事前に八釼の許可は得ている。清も事前に知らされていたのだろう。部屋から出ていく俺達を、黙って見送っていた。 「寒くないですか?」  暦上はすっかり春とされる四月を過ぎたというのに、まだ日によっては上着が手放せない。  長袖の入院着にカーディガンを羽織り、薄手のストールを肩にかけた栃内を気遣うと、彼女は「平気です」と首を振った。  その首筋にはまだ、白いガーゼ。傷はとっくに治っているだろう。もしかしたら、傷とは違う跡が残ってしまったのかもしれない。  そんな俺の心配など気づかずに、栃内は日向ぼっこを楽しむ猫のように双眸を細めて桜を見上げた。 「日差しが温かくて、気持ちいいです。……なんだか久しぶりに、血が通った気がします」
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