もう一人の"家族"

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 確かに、久しぶりに纏まった時間が取れたからと、俺は事務所に来てからちょこまかと動いていた。  簡単にだが掃除をしたり、栃内の資料を読んだり、本部に調査依頼を出したり。  その一方で、充希は殆どをここのソファーで過ごしている。お供は小説本と、コーヒーだけだ。  好きにしていてください、と言ったのは俺。  何も"出来ない"充希が手持ち無沙汰に暇を持て余す可能性を考慮出来なかったのも、紛れもなく俺だ。 (……単独での仕事生活が染みついてるな)  自身の失態に気づいた俺は、怒りを鎮め、 「いえ、こちらこそ気が回らずにすみませんでした。これからはちゃんと俺からお願いするので、手伝ってもらってもいいですか?」 「それは嬉しいが……二つに分かれてしまった彼は、どうしたらいい?」 「やってしまったものは仕方ありません。新しいモノを買うので、大丈夫ですよ。なので次からはせめて壊したなら壊した時に報告を――」
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