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「野際さんを除いたら、犯人と最後に接触したのは私です。だからもしかしたら、犯人の"突然死"に関して何か疑われているのかと心配していたんですが……。これまでの被害者さんも皆、同じような制限がされていたんですね」
「え、ええ、そうです。仕事柄こうして入院中の方と接する機会も多いですけど、皆さん退院直前まで、外部との情報のやり取りを制限されていますよ。肉親への連絡すら、許可を得る必要がありますし。ですから栃内さんが特別疑われているとか、そういう事はないと思います」
「良かった」栃内が頬を緩めて、息をつく。
彼女の"勘違い"に便乗する形になってしまったが……なんとか誤魔化せたようだ。
まったく、"本業"に関わる不用意な発言は慎んでほしい。
そんな非難を込めて充希を睨むと、あろうことかパチリとウインクを飛ばしてきた。
は? どういうことだ?
それではまるで、上手くいったと合図するような……。
(…………あ)
見抜いていたのか? 彼女の不安を。
それとも、もう一人の"母"である鐘盛に連絡したくとも出来ないという、彼女の葛藤を察して……?
「……わかりました」
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