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「……わかりました」
苦言を呑み込むようにして了承を示した彼女は、ぐっと顎先を上げると、
「事件の被害者として、こちらへの"報告"を必要とする事項はありますか?」
あくまで"隊員"ではなく、被害者である"相談屋"として。
俺の立場を重んじた問いに、俺は「そうですね」と考える素振りで、
「この自分の"うっかり"でつけてしまった傷以外、怪我はありません。ご報告するようなことといえば、彼は先日の"加害者"である須崎の友人だったそうです。ウチの事務所への"脅迫"も彼が。動悸は逆恨み……の一言で纏めるには少々複雑ですが、大筋としてはこちらとしては身に覚えのない怨恨ですね」
「……左様でしたか。ご協力、感謝します」
「"警察"を呼び出してくれた友人が待っているので、早めに解放頂けるとありがたいのですが」
「……わかりました。あちらのナイフは念の為、こちらで預からせて頂きます。詳しい"聞き取り"は後程に。行って頂いて構いません」
「ありがとうございます。充希さん、栃内さんの所に行きましょう。きっと心配されていると思いますし――」
「……その前に」
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