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「警備員を呼んで頂いて、ありがとうございました。助かりました」
「すまなかったね、せっかくの花見だったというのに」
「そんな、いいんです。本当に、お二人が無事で……?」
栃内が不自然に言葉を切った。途端、みるみるうちに青ざめて、
「野際さん、その首……っ!」
「あ、と。違います。"吸血"ではありません。うっかり自分で引っ掻いてしまって。本当は絆創膏なんて必要ないくらいなんですけど……驚かせてしまって、すみません」
「いいえ……ごめんなさい。私の方こそ、もしかしたらなんて馬鹿なこと……。"吸血"だったら、こんな……戻ってなんてこれないのに」
震える手をもう片方の手で押し込めて、栃内は無理やり安堵を引き起こすようにして息をついた。
充希が「仕方ないさ」と肩を竦める。
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