望まぬ会遇

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 ごくり、と飲み込んだ彼は、「……ほら、見たまえ」と自身の"吸血痕"を指さした。  それはまるで、誰もが望んだ魔法のように。 「…………そんな」  跡形もなく消え去った、二つの穴。  絶句する俺を実に楽し気に見遣りながら、青年は歌うような調子で華麗にお辞儀をしてみせた。 「僕の名前は充希(みつき)・モレッティ。かの世界的に有名な、"ゼロ-ウイルス"持ちのヴァンパイアキラーさ」
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