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特異機動隊本部にて
到着した仲間の運転する飛行警備車両に乗せられ、俺達は千葉県浦安市の人工島にある特異機動隊の本部へと降り立った。
東京ドーム三個分と広大な敷地を誇るここでは、身体から射撃まで多様にわたる訓練場は勿論、武器類や車両の管理、主に若手を対象とした宿舎等がある。
映像とAIを駆使した最新の警備システムにて守られたゲートをくぐり、一番最初に目に入る八階建てのビル。そこが本当の意味での、本部だ。
俺達が通されたのは、その三階。机と椅子、そして外部からの"観覧席"のみという簡素な部屋を興味深げに探索する彼に、俺は「お茶です」と湯呑を置きつつ声をかけた。
上司が急遽用意させた高級茶らしいが、俺にはよくわからない。
「おや、日本の『取り調べ』では、どんな悪事をも悔い改める料理が振舞われると聞いていたんだがね。なんといったかな。こう、丸くて底の深い器に入った……ああ、そうだ。"トンカツ"」
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