ヴァンパイアキラーとの契約

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 声に視線を上げると、充希は嬉し気に頬を緩め、 「初めてなんだ。こんなに誰かの、その先を見届けたいと思ったのは。以前、キミを羨ましいと言ったことを覚えているかい?」 「……あなたはあの時、俺を"人間的"だと」 「そう。キミは芯が強く、柔らかい。ヒトを嫌うくせに、ヒトに信頼を寄せている。優しいくせに冷酷で、愛を(うと)んでいるくせに、愛に飢えている。つまりだね、矛盾的なのだよ。すべてにおいて。だがそれがキミの強さであって、弱さだ」 「…………」 「そんなキミが、僕という"異例"を手にした時、はたしてどう変化するのか、興味がある。愛すべき"VC"のため、"毒林檎"を与える救済者となり得るか、はたまた、憎き"ヴァンパイア"を殲滅(せんめつ)すべく、血濡れの戦士となるか。キミがいつか、望むべき世界を手にした時、キミは"人"のままでいられるのか」 「……つまり俺は、あなたのモルモットということですか」
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