ヴァンパイアキラーとの契約

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 俺はそう、ずっと望んでいた。  (……もしあの時に、"マリア"があったなら)  潰れ、散り、人の形を失って"救済"を得た姉さんも、彼女のように美しく穏やかな眠りの中で、"幸せ"になれただろうに。 「……俺には、どんなメリットが?」 「"僕"という武器を手に入れる。おそらく現時点では、地球上で最も価値のある兵器だ」 「兵器って、自分で言いますか」 「物事を自分にとって最適に運びたいのなら、まず自身の価値を冷静に見極め、把握することだ。例え不本意な評価であってもね」 「……この国に来た目的は、バカンスだと聞きました。俺の側にいると"休暇"にはなりませんよ。俺はこの……"相談屋"の任を、手放す気はありません」 「もちろん、心得ているよ。巧人の"仕事"は僕にとっても都合がいい。なんせ、"VC"との出会いが増えるのだからね。今度こそ、"アモーレ"がみつかるかもしれない。それに……狩りも、しやすくなる」 「しっかり"仕事"する気満々じゃないですか」
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