特異機動隊本部にて

4/14

28人が本棚に入れています
本棚に追加
/254ページ
「いいかい? 僕の母は確かにこの国の人だったが、僕にそうした話し方は教えてくれなかった。わかるかい? 難しいのだよ、僕にとって。正直さきほどから、キミの話す八割適度しか理解していない。僕はキミともっと円滑に、かつ友好的なコミュニケーションを取りたい。協力してくれないか」 「…………」  随分と流暢(りゅうちょう)に話しながら、よく言う。というか、そっちこそなんだその妙な口調は。  思ったが、俺は平然と胸中に押し込んで、 「……理解はしましたが、俺が上に怒られることになります。出来るだけ簡素にしますので、敬語調ってのだけは許してくれませんかね」 「……仕方ない。まあ、僕とてキミが責められるのは本意じゃないからね。それで手を打とう。ところで巧人、早速なんだが、一つ質問してもいいかい?」 「どうぞ」 「この島の住人は、ほとんどが"VC"なのかい? 少なくとも、この島に入ってから見た"N"……"ただの人間"は、キミ達だけだ」  …………するどい。  流石は世界的を渡り歩く"ヴァンパイアキラー"、といったところか。
/254ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加