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途端、充希が小さく噴き出した。
昼下がりの喫茶店で、くだらない冗談を耳にしたようにクツクツと笑う。
「いやだなあ、巧人」
とろりと緩んだ紫の瞳。
「巧人も言ってたように、"吸血鬼"は化け物じゃない。ウイルスに侵された感染者――つまり、"ヒト"だ」
充希がマグカップを置く。
彼は舞台に立つコメディアンのごとく、どこかおどけた調子で両腕を広げた。
「僕は"ヴァンパイアキラー"。血を求めた哀れな"感染者"を殺す、"殺人鬼"だ」
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