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「相談所? あー……なんかどっかで聞いたことあったな。いつ"餌"になるか身をもって実験中の、変人がいるって」
(そんな噂がたってるのか……)
だがまあ、"その程度の噂"なら放っておいても支障はないだろう。
相談屋、というのは建前で、実際は特異機動隊の諜報員としての任務なのだということは、国家機密だ。
俺はあくまで"無害な人間"を装って、「ひどいなあ」と弱ったように笑ってみせる。
「実験だなんてとんでもない。俺はただ、キミみたいな"VC"の人達の力になりたいだけだよ。共に生きるようになって八年も経つというのに、まだ"VC"への偏見や差別は根強いだろう? 元々は皆、同じなのに」
「……みんな同じ、ねえ」
「自己紹介も済んだことだし、そっちに行ってもいいかな?」
「あ? 別にいいけど、俺はアンタの実験に付き合うつもりなんてねーぞ。男の血を吸う趣味はねーんだ」
「いや、そうじゃなくて、彼女を保護したい」
苦痛のあまり気を失ったのか、命尽きたのか。
彼の足下に倒れこんだ女性を視線で示すと、彼は今やっと思い出したかのように「ああ……」と一瞥して、
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